同友会ニュース−活動報告
米子支部 3月例会 報告のまとめ
社員と向き合い、社員自らがワクワクして仕事へ取り組む社内風土へ
『地域を活性化させ、生きのびる会社の成長戦略』
~ いかにきびしくとも会社を維持発展させる気づきとは ~
<報告者> 美田 耕一郎 氏 ㈲みたこ土建 代表取締役
鳥取同友会監事
平成15年に同友会入会後、平成16年経営指針成文化、平成18年金沢で行われた定時総会にて報告される。
「人間性尊重の経営」「目的と目標の明確化」などのネッツトヨタ南国の横田氏の報告に感銘を受け今でもそれを目指しながら経営に邁進しておられる。
そんな中、19年秋頃から自社のピンチに悩んでいた。そこで自社分析(現状把握)に取り組み問題点(自社の弱み)がわかった。(企業としても経営者としても若かった頃は出来なかったがやっと過去を検証し今後を見通すことができたはじめた)
それを元に平成19年11月ころから社員と向き合い話し合いをつづけ、社員さんの「あきらめたくない」の一言に背中を押され、これから生き抜くためには地域に根ざした公共事業工事の元請になろうと決めた。
さらに国や県だけでなくハードルは高いが国土交通省や農林水産省などの受注にチャレンジしていくことを全社員で確認した“全社を挙げて下請けを一切断ち元請一本へ向かっていく”という大英断であった。
しかし、元請へ転換することは、生易しいものではなく、すべての資源を投入しあらゆる手立てを尽くした。それは社長自ら当然のことながら社員さんの給与削減にまで及んだ、そんな取り組みによって2名の解雇(再就職先は社長が責任を持って確保した)3名の退職という貴重な経営資源である人を失うことにもなった。
しかし、その一方では、事業の元請化と平行して独自の社内規定の改革にも着手(育休の導入・管理者休暇等)、さらに同業他社には負けないほどのIT導入や事務所のワンフロア方式導入などによって社員自らがワクワクして仕事へ取り組む社内風土へと変わってきた。こうしたさまざまな取り組みによって平成20年の秋頃から元請受注が結果として表れだした
そんな中「この会社はやったな」という社員さんからのメールに、これならいけるという兆しを感じた。さらに自社の現状が地域から必要とされている度合いであり、さらに必要とされればそれに比例して成長発展していく。又、地域の質=企業の質共に高めていくことが大切で決して一人勝ちは出来ない。
所詮、社会の一部であると認識することから会社だけでなく社会も良くなっていくのではと、あらためて地域と企業の関係について考えさせられる熱い報告でした。
グループ討論のテーマは「あなたの会社は地域・社会・お客様から必要とされていますか?」
報告:例会委員会 ニチラス運輸㈱ 田城 敏史