同友会ニュース−活動報告

第41回定時総会に参加して

第6分科会参加報告:㈱Mnet Corporation 渡部 正人

  ■中小企業家同友会全国協議会設立40周年『第41回定時総会in東京』
●とき:2009年7月9日(木)13:00~10日(金)12:00 ●ところ:椿山荘

第9分科会:『経営指針づくりからはじまった企業再生 今、成熟へスタート!』

 <報告者> (株)奈良ロイヤルホテル 代表取締役社長 八坂 豊氏
                         奈良同友会筆頭副代表理事 

 運命的な奈良ロイヤルホテルとの出会いで氏の人生が大きく変わった、そんなダイナミックな話でした。 

報告内容(概要)
 関東のホテル業界にいた氏は、奈良ロイヤルホテル管財人補佐として招かれる。スポンサーが見つからず自主再建の道へ。新会社を設立し、まとまりのない幹部を、自己開示セミナーをきっかけにまとめ上げていく。その延長として、みんなで経営理念・行動指針を作る。製品を商品にするために、モチベーションアップ・技術力アップ・商品企画・宣伝広告・コスト管理・安全安心のための365日行動計画表を従業員に作らせ、PDCAサイクルを廻す。順調に行くが、いま売上が思った以上に伸びず、人生においてはじめて気付く。自分はマイナス5をプラス1にしてきた経験しかないのに、それを実力があると勘違いし、おごっていた。
 「人を生かす」ためのES(従業員満足)はCS(顧客満足)から来るものでないと長続きしない、そのためにも経営方針・計画から自社を分析し、自社の存在意義が社員と共有できるような経営理念が必要である、と八坂氏は力説されました。

グループ討論 「何のために生き、何のために経営しているのですか?」~自社の「経営理念」と
「生き様」は一致していますか?
グループ長をしました。「ESの目標を自己実現に持って行かないとモチベーションは維持できない。経営者が覚悟し、姿勢を示すものが経営指針である。」との結論に至りました。他県、都会や地方のいろいろな方の考えややり方が聞けて、とても勉強になりました。
 

 

第14分科会参加報告:㈲サイン技研 中尾 大介

 会場:椿山荘 全体会
全国から約1,500人の会員さんが集まり、中同協より提案された総会議案を再確認し、各々が希望する分科会へ分かれました。みんな中小企業の社長さん、役員さん、ともに忙しいなか参加してすごいなと思いました。

第14分科会:『”small”changes the world. 中小企業が社会を変える』
       〜社会に本当に必要とされるよい企業が生き残る時代へ〜
      
基調報告者 ナシル・U・ジョマダル 氏
      立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授、学術博士

報告内容(概要):
 グラミン銀行総裁で創設者でもあるムハマド・ユヌス氏がわずか27ドルを42人の女性達の竹細工の材料購入代として貸し始めた、バングラディッシュのグラミン銀行(グラミン=農村)がマイクロクレジット(少額無担保融資)の手法で貧困層の自立を助けたという手法、おこりにスポットライトをあてた報告で、社会の構造変革、価値観の変動などを感じました。

   バングラディッシュという国は25年〜30年かけて人口が倍になり、GDPが3.5倍になったにもかかわらず、貧困に苦しむ人が少なくならなかったそうです。なぜ貧困が生まれるのか?という疑問から出た答えは、一部の人たち(企業のオーナー、経営者)の考え方が悪いという事に気づき、何とか貧困の無い世界を創りたいと思ったムハマド・ユヌス氏は、他の世界銀行にない仕組みをつくり、貧困層の自立を助けたそうです。
 まず、マイクロクレジットという担保もない融資がスゴイと思いました。僕ら中小企業が銀行からお金を借りようと思っても、お金を持っていないと借りることができない現状があるのに、借りたい人へ貸すという当たり前だけど当たり前にできていない事を少額とはいえ、実行した勇気が現在の企業にも欠けている面ではないかと思います。
 つぎにグラミン銀行から借りている人の97%は女性だそうで、バングラディッシュではこのグラミン銀行の仕組みにより女性の社会的地位が守られているそうで、日本よりもずっと男女の立場が対等だと思ったのと仕組みの大切さを感じました。

   現在グラミン銀行では、企業は利益を追求しないといけないという考え方より、ある規模からはもう少し社会貢献をした方がいいじゃないという考え方から、投資はするけど配当を求めない「ソーシャル・ビジネス」を提言していて、その考え方に賛同する企業(海外では、フォルクスワーゲン、ダノン、日本からユニクロ)と具体的にどのように関わっていくのかをすりあわせているそうです。
 また日本の中小企業に協力をして欲しいのはお金ではなくて、日本で培われた技術をもとにした「人材育成」ということ、ムハマド・ユヌスさんにかかれば、何でもビジネスになるという言葉で報告を締めくくられました。
 報告の後のまとめより、利益追求ばかりに追いかけられてきた時代が終わり、良い会社の定義が変わりつつあると特に感じ、結果的に金融が新しい仕事を生み出す原動力になっていること、現在の不況はただ環境が変化しただけで、その環境のニーズをまだみんながわかっていないだけという部分は非常に勇気をもらい、また頑張ろうという気になりました。

特別企画

           中小企業立国の展望と同友会運動の未来
        〜大転換期の今、経営者に求められる課題〜

   基調報告講師:山口義行 氏 立教大学経済学部教授 金融論専攻
セッション報告講師:小出宗昭 氏 富士市産業支援センターf-Bizセンター長

<報告内容>
 はじめに、山口氏が昨年末の世界同時不況は、なるべくしてなったことと、事前に予兆があり予知することができたということ、この度の同時不況で同友会の会員さんも世界経済が、自社の経営に影響を及ぼすということを知ったと思うので、これからは世界経済を少しずつ勉強していきましょうという報告でした。
 そのあと、小出氏と一緒に富士市産業支援センターの取り組みを具体例よりわかりやすく報告いただきました。その内容は新しい「仕事づくり」に関する内容で、今のどの企業も取り組むべき内容だと感じました。なかなか日々の同友会活動をしていても新しい「仕事づくり」に気づくことができないので、そのような視点をもう少し自分の中に持つことができれば見方が変わるなと思います。

第6分科会参加報告:綜合印刷出版㈱ 植木 仁美

 会場:椿山荘 ■第6分科会
         『「自信をもって本気でお誘い」できる支部づくり』
       学びあいと実践、経営指針、会員拡大すべては繋がっている

   <報告者> 高野直樹氏 ㈱TAT 代表取締役会長
                    兵庫同友会理事・阪神支部長

【報告内容】
 「経営の勉強より、雰囲気を楽しむアットホームな支部」が、全国有数の「学びあいと経営実践をすすめる支部」になり、会員数は、毎月必ず入会者があり60名から200名になった。
妥協のない学びあいと妥協のない実践。経営指針の成文化と実践にあたりまえに取り組む阪神支部だからこそできたことだと語られた。
 また、同友会において役員を経験するごとに、同友会精神、経営についての考えも深まり、会社の業績も経験年数に伴って上がっていった経緯を話された。

  【グループ討論:企業変革と支部活動は一体のものとなっていますか?】
◆一体となっている派
鳥取は、準備会の段階で人も少なく、企業変革したい会員しか入会していないので、一体となっていると言えるのではないか。
香川は、支部長および幹部が、「同友会とは」(基本)を良く知り、情熱とテクニック(常に勉強)をもって取り掛かっており、一体とするべく活動している。

◆一体となっていない派
一体となっていない支部の特徴
・参加率が低い
・経営指針の成文化をしていない(成文化の良さをわかっていない)人が多い
・役員が、きちんと同友会を理解していない(成文化をしていない人もいる)。
・理念に重きを置きすぎて、数字・計画に弱く、実践に結びついていない。
・「士」業が多く、まとまりがない
・幽霊会員に対して「お金払いながら来ないなんて、良い人」という幹部の意識がある。
・事務局へ依存しすぎ

◆対策
・理念だけでなく、経営的な数字の話題にも、触れる機会をつくる
・例会にて、「明日から実践すること」を記名の上書いてもらい、毎月確認する
・理事会などにおいても、運営のことばかりでなく、自社の課題や、自分が変わった点を語ら せるようにする
・入会予定者に、フォーマットに沿って簡単な経営指針書を書いてもらった上で、同友会が活 動を通して目指すことを説明し、明確に理解してもらう。
・役員を経験してもらう(会の運営も、会社の運営も根っこは同じ)
・参加しやすいように、例会の開催曜日を固定しては
・いつ何時も、「経営者の学びの場」ということを、絶対忘れない

【分科会を通しての所感及び今後の課題と実施計画】
 同友会に参加すること、参加人数を増やすこと(すなわち会員拡大すること)で、各個人、各企業、各地域の力を底上げをする。
 志の高いメンバーで構成されている鳥取支部準備会なので、このモチベーションを落とさないように、勧誘時のひと工夫、会の運営、各会員のスキルアップに力を入れたい。
会のための活動に終始しないように。お互いの繁栄につながるよう、常に留意しながら。それが、各社の繁栄にもつながるように。

 定時総会参加の皆さん

 懇親会

鳥取同友会の参加メンバー

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