同友会ニュース−活動報告

【06.08.08】中同協第38回定時総会第5分科会報告①

経営指針成文化から学んだ真の同友会運動

  ~企業経営責任者から、地域発展の責任者へ~

◎報告者 ㈲みたこ土建 代表取締役 美田 耕一郎    (鳥取同友会 理事)

会社概要 設立:1999年 資本金:575万円 社員数:12名 
事業内容:建設業 URL:http://www.mitako.com

鳥取同友会は04年に設立。準備段階からすでに指針を作成していた現代表理事の影響で発足前から数名が他県の指針を創る会に参加。05年10月には第1期経営指針を創る会(全5講)をスタート。自社の為に始めた指針成文化も追及するほど地域の問題として発展。企業は誰のものなのか…何のために存在するのか…。 成文化運動の中から真の同友会運動に気づき、企業発展の責任者から地域経済発展の責任者へ。さらには地域文化発展の責任者である事に成文化運動を通じてお互いが気づき始める…。
                                             
  座長/エレックス㈱(鳥取) 代表取締役 宇佐見 明  
  室長/㈲柏工務店(石川) 専務取締役 柏 雅登
  記録/鳥取同友会事務局 口田 徹

1.プロフィール

①鳥取同友会のプロフィール
鳥取同友会の創立は秋田同友会の前のブービーでした。約2年前(平成16年5月)に創立しました。人口が最少の62万人の県で、全部が合併しても政令指定都市になれない県です。県庁所在地の鳥取からスタートしたのではなく、鳥取県の西部の米子で発足しました。

②みたこ土建のプロフィール
今をときめきます公共工事を中心に土木工事をやっております。大変金銭的に厳しい経営をしております。平成11年創業(個人)、平成15年法人化し、現在に至っております。8月で丸7年、経営8年目に入ります。みたこ土建の社名の由来は創業当時、いろいろな会社名を考えたんですがなかなか思いつかなくて、小学校の頃から「みたこ」と呼ばれていましたから、これもなんかの縁でみたこ土建にしようとかなり適当につけました。
実は父が鳥取県の職員で、しかも、土木の発注者側にいました。創業前、発注者である父親に相談したところ、「お前は、馬鹿か!仕事は絶対なくなる!公共工事は今後、絶対無くなる。発注者が言うから間違いない。頼むからやめてくれ。」と言われました。確かに私もわかっていました。ただ闇雲に始めたのではなくて、やはり、自分の力を試してみたい部分がありましたから創業しました。

③同友会入会のきっかけ
初年度は決算で少し赤字が出ましたが、2年目からはかなりの利益が上がり、2年、3年とかなり順調に業績を伸ばしました。様々な悩みはあったものの、比較的安定してきた頃。メイン銀行の紹介で現代表理事の米川さんを紹介されました。銀行との電話のあとすぐに事務所に来られて、「経営には指針が必要だ!今から同友会の例会があるから、さあ行こう!」と、初対面なのにあまりにも勢いがよかったので、「分かりました、行きます」と言って、初めて例会に参加しました。
経営指針が必要という言葉に感じるものがあったのも確かですが、とにかく勢いで行きました。例会に参加して正直言って意味が分かりませんでした。適当にあわせて話していたのを覚えています。中同協の蓮見事務局長はとても話が上手で翌日来社され、青全交への参加も勧められ、青森での「青年経営者全国交流会」に参加しました。オプション旅行にも参加したんですが、青森県板柳町のバンガローで、赤石会長と同室になり、深夜まで経営について熱く語られていました。今から思うと赤石会長には大変失礼ですが、「このおじいさん、遅くまで頑張るなあ。」程度の気持ちでした。

2.滋賀同友会の『経営指針を創る会』

①良い会社にしたい
よい会社にしたいとは常に思っていました。同友会の三つの目的(よい会社、よい経営者、よい経営環境)は、なるほどすんなり賛同できました。ただ、いまいちピンとこないことを繰り返していました。義務的に買った「経営指針作成の手引き」に、何のために経営しているのかとかいろいろな設問がありますが、私にはなかなか理解が出来なくて、自分で何回も書いたりしましたけど、なかなかまとまらない。そもそも理念とは何だ?というところがありました。
蓮見さんに相談しましたら、「一人ではなかなか出来ないですから滋賀の経営指針を創る会が20期を募集していますから行きませんか」ということになり、滋賀はちょっと遠いなと思いつつも、申込みました。その時、本日の座長、宇佐見さんと二人で20期生として受講しました。行き帰りの3時間、朝令暮改ではないですけど、本当に行きは調子よく、「今日は帰ったら一杯やるか」などと言いながら行ったのですが、滋賀でボコボコにされ、帰りの車の中で、あれはちょっとおかしいよな、「あれは言い過ぎじゃないか」とか「私から見たら言い過ぎではないですよ」と論議しながらのかなり長い道中でしたが、あの時間は今の私達には大変有意義だったと思っています。
やはりいちばん最初につまずく部分が、「何のために経営しているのか」というところです。私が書いたことを正直に言いますと、『人に負けない』とか、『勝つ』とか、社員に対する基本姿勢にも『社員に負けない』とか、とにかく『誰にも勝つんだ』の勢いで書いていました。
正直言いまして、お金があれば大概のことは出来ると考えていましたから、とにかく何にしても勝つのだと書いていました。
結果一人で創業したのですが、本当はもう一人、同じ世代で同じ建設業界で現場監督していた人と一緒に創業しようとしていました。開始の(創業)タイミングが合わなくて一緒に始められず、「追って行くから取りあえず創業しておいてくれ」と言う言葉もあり、まず私が立ち上げました。約1年過ぎた頃、「美田さん、やっぱり行くのやめる」という話になりまして、私としては裏切られた気持ちでした。また、私が監督していた頃に重機のリースとか、材料の仕入れとかいろいろ仲良くして貰っていた営業さんに、「開業しても頼みますよ」と話をしていましたが、いざ、開業してみますとなかなか取引してもらえなくて。ある会社の肩書きを持った美田耕一郎とみたこ土建の美田耕一郎とは違うということを痛切に感じました。そんなこんなで、自分の中では悔しい思いをしまして、『人は裏切るものだ。』という前提で経営していたのだと思います。そんな話を講師団に誘導尋問されながら話していたら、講師団の金森さんに、「美田君、誰も信用できないと言っているけど、あなたに信用がないのではないの」と言われて、ハッとしました。普段でしたら、多分「なに!?」というようなカッとする部分だったと思うのですが、そうじゃなくてハッとして、「あっ、そうか、俺が信用してもらってないのか」と単純に思い、何故かスーッと入ってきました。

②“ふつう”という観念
また、経営指針を創る会の中で滋賀同友会の竹中副代表理事からたくさんの印象に残るお話を聞いたのですが、その中でも、“ふつう”という観念についての話が印象に残っています。“ふつう”という観念が正しいと思っていること自体が間違いだと言われました。例えば、信号のない横断歩道に歩行者が立っていても、車を運転している私たちは止まらないケースが多いと思います。
鳥取県の場合も車の台数も少ないですから、歩行者さえも車が通過するのを待っています。『早く通過してくれ、車が来なくなってから横断するから』ということを、皆、“ふつう”と感じていて、横断歩道で止まらない。逆に前の車に詰めるように加速したり、早く通り過ぎてあげようとしているのですが、それが正しいことなのか?良いことなのか?と聞かれたときに、そういえば、自動車学校で習ったときは、横断歩道を渡ろうとしている人がいたら止まりなさいと習った。何で止まらなかったのだろうか。いわゆる、“ふつう”みんながやっているからそうだろうという観念。これが本当に正しいのかと考えたときに、自分に当てはめて、社員は会社のために考えて働くのが“ふつう”だろう。会社のことを考えていない社員はだめじゃないか。あれほど言ったら、“ふつう”分かるだろうとか、他の会社の社員はこうだから、うちの社員もこれ位はしてくれないと困るじゃないか。他の社長もこれくらい会社の経費にしているから、うちもこれ位しても誰も文句は言わないだろうとか、そういう“ふつう”という観念に疑問が出てきまして、私が“ふつう”といってやっていることは正しいことなのかなと疑問が出てきました。これらは無意識の中に流れ込んでくる思想や、思いではないでしょうか。例えば血縁者からの思想だったり、地域が持つ独特の思想だったり、今の時代が生み出す思想であったり、そういったものを無自覚のうちに自分の中に流し込んでいる。自分の中で偏ってしまっていることに気付いていない。その自分の中での偏りに気付いて、自分が変わる必要がある。という話を聞いて、私は今まで土建屋として、また人間として正しくやってきたのか?と、いろんな自分の観念が正しいのか疑問を持つようになりました。
とにかく負けたくないだけを、前面に出して経営してきましたが、よい経営者にはなろうという目的があって、すぐにはよい経営者にはなれないけど、とりあえず、横断歩道では止まるとか、正しいこと、良いことならば、今すぐにでも出来るのではないか。まずそういうことから始めていくことが重要ではないかと投げかけられまして、自分自身納得がいきました。会社に出て突然ごみを拾って、「どうしたんですか社長!今まで埋めてしまえと言っていた人が、何を拾っているのですか!頭おかしいんじゃないですか?」と言われました。子どもの頃の気持ちにもどれたといいますか、例えば、『人を叩いてはいけませんよ』とか、『トイレのスリッパは揃えましょう』とか、『大きな声で挨拶しましょう』とか、本当に小学校の1・2年生のときに習ったような人間として原点の頃の気持ちを滋賀の経営指針を創る会で感じたことを覚えております。
又、竹中さんの絶妙な講義を聞いていて、竹中さんはコンピューター関係のお仕事をされていたので、『この会社なら間違いない!』と感じ「是非うちのホームページをお願いします」と頼みましたところ、「その仕事は請けない。」と簡単に言われまして、『僕が金払いが悪いと思っているのかな?』と思ったのですが、「うちの会社をよい会社だと評価・理解してくれるのは嬉しい、ありがとう。だけど、本当にうちの様な会社がいいと思うのであれば、なにもわざわざ、滋賀に発注しなくても鳥取でそう思えるようなホームページの会社を作るか育てるかしなさい。」と言われました。『この人凄いなぁ!』ふつうそこまで言うのかと私は思いました。“ふつう”そこまで言うのかと感じてから『あっ、また“ふつう”という観念で見ているのかな』と自問自答といいますか、そこでさらに自分の思考の浅さをさらけ出したと思いました。
滋賀の経営指針を創る会を最後まで受講し経営理念も出来ました。
『みたこ土建は地球彫刻家へ』。地球彫刻家という言葉にやけにこだわったものですから、皆さんもおだててくださって、いいじゃないかということで理念が出来ました。
ただ、正直言いまして同友会に対しての理解というか、同友会で言っていることが、本当に正しいのかどうなのか、私の中では検証できなかった。時間がなかったこともあるし、学びが浅かったのでまだまだ分かっていませんでした。

3.高知での青全交(青年経営者全国交流会)

①人間性尊重の経営
それから1年経った頃、高知で青全交があり、その記念講演が印象に残っています。ネッツトヨタ南国の横田社長の記念講演でしたが、横田社長は同友会の会員さんではないんですね。同友会の会員さんではなかったんですが、2002年に経営品質大賞を受賞されています。話を聞いていくうちに、滋賀、総会、青全交とかいろんなところで聞いた内容とほぼ同じことを話されました「皆さんは同友会の会員さんということですから、どういうふうに考えておられるのか分かりませんが、私たちはこう考えています」と話をされまして、それを聞いて、見事に同友会理念の方向性と横田社長の講演が一致しました。まるで同友会の神様が降りてきたみたいな感じで、今までの様々な疑問点が晴れました。竹中さんの話もそうですし、滋賀できつい事言う人の発言とか、赤石会長の熱弁とか自分の中で、バチッ、バチッ、バチッと今までの疑問や感じた事その他全てがつながりました。『あっ、これだ!』という、忘れられない青全交でした。
その中で“人間性尊重の経営”の人間性について横田社長は、考え、相談し、企画し、実行し、反省する。この行為を頻繁にしていればしているほど、人間性を発揮している状態といえるとおっしゃられました。これは『精神的に若い状態』だと。ここで赤石会長の元気な理由が納得できました。人間性的に若く、精神的にも若い状態なんだと感じました。
人間性の重要性を感じて、講演を聞いている最中に、社員の顔が浮かんできました。経営者として彼らを気付かせる場をつくってこなかった。社内で社員教育という視点は自分の中では一切なかった。100万円欲しければ、100万円以上の稼ぎをして来いというだけの考えをしていましたから、本当に今思えば、アメとムチで仕事をさせていた状態に気付いて、これは申し訳ないことをしてきた。確か経営を始めて4,5年の頃だったと思うんですけど、4年も5年も本来、人間として働く場を提供して、人間的に働いていかなければならない場で、機械的に働かせようとした自分に反省しまして、涙が出てきました。
それと同時に、『こんなくだらん経営者でも、ついてきてくれている』という思いになり、『彼等のためにも絶対良い経営者にならないといけない。よい会社をつくらないといけない』と感じ、今までの自分を振り返り情けなくなると同時に、今後の経営の決意が出来た青全交でした。

②目的と目標
講演の中で目的と目標の話がありましたが、『目的は追求するもの』で『目標は達成するもの』と言う話が有りました。目的と目標の例として、教育の目的は集団行動を覚える、規律を覚えるなど自分の社会の中での役割に気付く事が目的であって、その教育の目標として、テストの点数であるとか、よい大学に進学するとか、そういった一定の目標があるようです。自分の希望の就職(目標)を通じて自分がどう社会に役に立ちたい(目的)か、ということのようです。スポーツでいえば、仲間との協調性を覚えたりとか、スポーツを通して充実感を覚えたり、心身を鍛えたりと言った目的があるんですけど、目標として試合に勝つとか、オリンピックに出るといった話をされていました。
そこでこの目的と目標の違いが私の中ではっきりしまして、経営指針の理念と方針と計画の中で、やはり目的を指すのが理念なのかなと自分の中では理解しました。そして、目的は追求するもので、目標は達成するものとおっしゃってましたが、私もその通りだと感じました。やはり経営指針にあてがってみても、例えば、計画は目標のレベルの話であって、計画は達成すべきもの、決して計画をおろそかかにしていいというのではないですが、鳥取同友会の経営指針を創る会でも経営理念(経営目的)を中心に考えて行動しております。

4.鳥取でも『経営指針成文化運動』を

そんな事も含め、鳥取でも指針成文化をしなければいけないと思うようになりました。
当時、滋賀の20期を私達は受けて終わっていて、21期に1名、更に22期に1名、岡山でも指針の成文化を受講していたメンバーがいました。
滋賀の方々からも『鳥取県経済・文化・発展の為にも自分の所で指針成分化を絶対するべきだ』との声もかかりました。米子という地域は非常に熱しやすく、冷めやすい地域でして、この話を受けたときに大変熱かったことを覚えています。よし!やろうということで始め、昨年ついに第1回の指針を創る会の実施にこぎつけ3名の卒業生を輩出しました。
資料は全て滋賀同友会からのパクリ。パクリの言葉は悪いですが、私達は決して恥ずかしいとは思っていません。私たちが覚えた言葉もそうですし、今の行動、いわゆる両親から入ってきた思想であるとか、土地が持つ思想であるとか、時代が持つ思想であるとかすべて自分で生きてきて、自分だけでやってきたのではない。私が話している言葉も、おそらくベースは私の両親の話していた日本語のパクリでしょう。横田さんの話もパクリです。だけど、自分だけがすべてやったということないと思います。その視点からも、よいものは貰う!あるものは使う!滋賀同友会事務局からはデータを頂戴して、大変お世話になっております。
ただし、目的に関しましてはとことん議論しました。鳥取同友会で経営指針成文化を取り組む前に議論したことは、各地で既に受講した者で講師団を構成しましたので、基本的に話しのすり合わせをしてみますと、プロセスはともかくとして、ねらいや目的は一緒なので、これは大丈夫だということで進みました。
まず経営することの意義について、(経営するという言葉は、働くと言うことに置き換えてもいいんですが)経営することの意義は、『自己の欲求を満たすこと』ぐらいと考えてた私が、そうではなくて、経営することは『絶対に一人では生きていけない社会的繋がりの中に加わること。』に気付いた点を議論し、経営の目的は、『経営することを通して特定の社会的役割を引き受けること。』と位置づけました。例えば私は建設業ですが、その中でも土木工事業、その土木工事業の特定の社会的役割を引き受けているのです。そういった考え方、もし、そういった特定の社会的役割が引き受けられないなら、おそらく数字さえ合えば、数年間は経営できるでしょう。しかし、経営は継続すること、存続することが目的になると思います。であれば社会の中で必要とされ続ける企業にならなければならない。
みたこ土建が鳥取県の米子という地区で、なくなったら誰が困るのかと考えたときに、正直、誰も困らないだろうと思いつつも、社会の中での自分は特定の役割を引き受けていること、いろんな業種の方がいらっしゃいますから、それぞれの役割の中で、それぞれの責任を果たす。その部分の理解がなければ本当の意味で企業は自立することができないのではないかと鳥取同友会では考えています。
同友会の三つの目的(よい会社をつくろう、よい経営者になろう、よい経営環境をつくろう)は、社会の一部を引き受ける経営者の責任であって、責任を全うすることは、決して自分だけがよくなろう、自分の会社だけがよくなろうという話ではなく、地域全体の発展の一部を担っていると鳥取同友会は考えています。

5.真の同友会運動を

①目的の追求
鳥取同友会では『よい会社、よい経営者、よい経営環境』をつくることは、地域発展の為に欠かせないプロセスであって、社会の中でその特定の役割を代表して引き受けているわれわれ経営者は、企業における最高責任者であると同時に、実は地域が発展するためのキーマンではないかと考えました。経営指針成文化運動は、まさに同友会運動そのものですが、それと同時に地域文化を創造してしまうような運動であって、地域文化創造の第一歩ではないかと位置づけています。鳥取同友会運動の基本方針の中にも会員全員が経営指針を持とうと盛り込んで、経営指針そのものが同友会と切っても切れないものと考えています。
経営指針成文化への取り組みは、とにかく自分の会社をよくしたい。今より儲けたい、安定したいという思いで受けたと思います。いろいろ他の同友会方の話を聞いてみても、少し前までは経営指針成文化は良い会社づくりが目的だったみたいです。でも、『自分の会社を何とかしたい』というだけの考えは、『現状をどうにかしたい、何とか世の中が変わればいい。世の中を変えるのは大変だから、社員を変えればいい。社員よ、何とか変われ!どうにか動け』。と、どうもそういった視点で止まってしまうのではないかと思います。目的はやっぱり追求するもので、目標は達成するものという視点。同友会理念をとことん追求することが、実は真の同友会運動であって、何のために経営しているのか、何のためにといった追求を続けると、“何のために”のレベルが出てきました。“何のために”を追求するレベルをよく考えないと、“よい会社にしたい”というレベルでの追求なのか、“良い社会にしたい”というレベルの追求なのかだけでもずいぶん意味が違ってきます 。

②気づき、変わろうとする
総会、青全交、などいろいろな行事に参加して感じているのですが、『例会にだけ出てもだめかも』と感じています。高知の青全交も何も期待していなかったですが、分からなくてもとりあえず出て、聞いて自分なりに理解をしようというスタイル。そういう気持で挑まないと話にならないと感じてます。自分が素にもどってこの会に参加することが非常に重要だと思います。
叱ったりとか、叱られて行動するのは動物だとよく言いますけど、私もよく叱られますし、社員を叱ったりしますけど、叱られてもそのときはハイハイと言って修正しますが、結局はまた同じことをします。自分で気付かないと絶対変わらない。人は気付かないと変わらない。同友会運動というのはその気付く場所をたくさんつくる運動で、その一つに経営指針成文化があると考えています。一つでも多く気付けるように、例えば例会、総会など多くの行事に積極的に参加することが重要だと思っています。
私は滋賀の経営指針成文化で、何が変わったかというと、実はそう変わってはいないのです。しかし、少なくとも言えるのは、学び続ける必要があると思いました。自分の中でよい経営者とはどういう経営者なのか、よい経営者とは【学び続ける経営者】じゃないかと思います。例えば経営理念の中に社会性、科学性、人間性を織り交ぜて、理念を考えますけど、社会性をとっても、今日の社会性と明日の社会性は絶対変わります。当然今年と来年の社会性も変わってくると思います。その変化の中で理念は経営指針を創って完成しましたということで終わることはないと思います。私としては学び続けることが必要だと感じ、そして継続できるようになったと思ってます。

6.まとめ

鳥取同友会は2年目にして経営指針を創る会がスタートしましたが、凄いなとおっしゃるのか、どうおっしゃるのか分かりませんが、パクリながら一生懸命やっております。ただ、綺麗ごとばかりではないです。経営指針を創る中で、我々としては経営理念、方針、計画、これは全部必要だと思っております。計画がいらないとは思ってはいません。しかし計画は個人差が生じたり、いろんなことがありますから、それは別に勉強してくださいと考えています。経営理念に関してはオリエンテーションを含めて6講やっていますけど、この6講の中でもまだ『理念追求には至らないのでは?』と思っています。
私の会社もまだまだです。指針を成文化して『私が変わって、社員も変わりましたと』今は言いたくないです。正直言って変わったとは思います。
でも本当は『社長が何か変わり』、それを見て社員たちが自分たちも『変わろう』してくれるのではないでしょうか。それが5年後なのか10年後なのか分かりませんけど、いつか社員の行動を見て、「凄いな、そんなことまで考えていたの」と言ったら、「社長、私もいろいろ考えていますよ。」「何で、前はそんなこと考えなかったのに」と言ったときに、「いやぁ、社長が変わったからですよ。」と、この瞬間に至ったときに、本当に変われたのだと思います。
まだまだ足りない現段階で報告する事に申し訳ない気持ちでいっぱいですが、今後まず自分が変わる、そして変わり続ける。当然よい方向に変わり続ける。そのためにもよい目的を持った理念を創って、それを常に確認しながら前に進んでいきたいと思っております。

 

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