同友会ニュース−活動報告
鳥取支部 8月例会 報告のまとめ
理念を追い求め、実践し続ける事により、『量』より『質』であると再確認
●とき:8月21日(火)18:30 ●ところ:とりぎん文化会館
『安全安心の醸造食品を自社の独自性に』
~ 経営理念に基づいた科学的な方針 ・ 戦略で、新しい挑戦 ~
報告者 : ㈲まるみ麹本店 代表取締役 山辺 啓三 氏
岡山同友会 吉備高原支部 支部長
㈲まるみ麹本店は、おいしさと健康を追求し、国内産原料と独自の製法でこだわりの味噌を顧客に届ける、1950年創業の醸造食品会社です。
父親が創業し、小さな頃からお客様の喜んでいる姿を見て育ってきた山辺氏は、入社されて26年目、6年前に社長に就任し、経営理念に基づいた科学的な方針と戦略を武器に、全社一丸の経営に取り組まれています。
同友会との出会いは10年前。様々な出会いと学びから、経営指針成文化。『自分のしている事業は何か?』 『何の為に自分がやっているのか?』 指針で自社のドメインを追求することにより、見つけ出す事が出来た。
原材料である米 ・ 大豆は、『 国内産 ・ 無添加 ・ 無農薬 』にこだわりをもたれているが、これには、大きな理由がある。
昭和30年代以降の農業は衰退傾向にあり、兼業農家が増えていた。しかし、農薬を使った米 ・ 大豆は水分含有量が少なく、麹の付着もよろしくない。何故なのか?『発酵調味料は本物でなければならない』 という思いからはじめた自社での麹造り。原点に立ち返り、改めて原料 ・ 環境を分析した結果、『食づくりの原点は土づくりである』 と気付いたからである。
父親を説得し、国産原料を使う事にこだわり続けてきたが、社長を引き継いだときは、赤字からのスタートであった。平成15年からは、台風 ・ 干ばつ等の自然災害によって原材料が高騰。『安価な材料で』と先代、『国内産にこだわって』と山辺氏。この間、数字は悪かったが、勝負を賭けたことが契機となった。社長交代までに同友会に入会した事が功を徹した。
理念を追い求め、実践し続ける事により、『量』より『質』であると再確認できた。
最近では、独自製法のフリーズドライ味噌や、麹関連商品の開発を手がける等、新しい挑戦に取り組まれている。
また、大阪の山田製作所様へ訪問した際、『3S活動の徹底さ』に感銘を受け、1年半前から取り組み始めた。今では社内に浸透し、成果が上がっている。今後は、健康商品として、また業務用として甘酒を商品展開し、更に、甘味噌として展開し、味噌と並ぶ事業の柱にと挑戦をされている。また、県内の農家さんと連携で『岡山県産の無肥料 ・ 無農薬』の原料にこだわって新たに商品を開発し、展開していきたいとも・・・
時代と共に変わりゆく経営環境に対応しながら自社の理念を追い求め、日々新しい挑戦を続ける山辺氏。
私個人として、改めて経営理念を見直し、検証しなければならないと痛感した。
報告:例会委員会 ㈲鳥取オートガラス 山根 智
自社をめぐる情報収集と分析が出来ていますか?