同友会ニュース−活動報告
7月例会 報告のまとめ
いつかきっとよりも、何かひとつすぐ実行を!
<7月例会報告のまとめ>
『経営指針成文化と新商品で大きな飛躍を』
~顧客からの信用をベースに、経営姿勢の確立と社員との信頼を強めて~
<報告者> キミセ醤油㈱ 常務取締役 永原 琢朗氏(ながはら たくろう)
岡山同友会
7月例会は岡山同友会より、永原さんにご多忙の中遠路おいで頂き、ご報告頂きました。
慶応2(1866)年創業のキミセ醤油株式会社は今年で142年目を迎える中国地方最大手の老舗です。
永原さんは5代目、3人兄弟の末っ子で、一度サラリーマンを経験されたあと、1998年に後継者としてキミセ醤油㈱に入社されました。当時、社員の定着も良くなく、卸先まわりを通じ、社内の立ち遅れや制度見直しの必要性を痛感されます。
「何故社員は経営者の気持ちを分かってくれないのか?」…社員に経営者の気持ちが分からないのは当たり前、伝えるためには、会社の「理念」や「しくみ」づくりが必要と2004年、同友会に入会されます。
140年も続いているのに理念のない会社は珍しい??…社長・会長に相談され、2005年に経営指針書を管理職に配布しますが、机の中にしまわれたまま。2006年からは手帳にして社員全員に配布、でも読んでくれない。
永原さん流アイディア満載のこの手帳には、経営指針、年間計画、就業規則、諸手当規定、諸定義などが細かく明確に記載されており、まさに会社経営のバイブル、社員にとっての「仕事ナビ」と言える優れものです。永原さんは、週3回の読み合わせにより、手帳内容の社員浸透を試みます。手間をかけ会社の考えをはっきりさせることで、賛否の議論がよく出るようになります。
永原さん自身は得意先まわりでお客様の評価を聞き、社員に敬意を深められます。そして、徹底的な清掃運動を開始、食品事故のリスク管理とともに、年間数百名の見学者から「牛乳工場より衛生的!」な醤油工場との声で社員の心もピカピカになり、素直な気持で仕事に取り組む変化が現れます。
社員とのコミュニケーションを重視され、「社員勉強会」、「社員誕生会」、「リーダー社員面談」などで社員の成長や意見を導き、「製造奨励手当」、「健康奨励手当」などで社員のやる気創出を促します。
3つの実行計画、「勉強します」、「達成します」、「きれいにします」。きれいな工場で真心こもった伝統的で安心で美味しい醤油や醤油加工品などが製造され、14万世帯に直販されている、お話をお聞きしただけでそんなイメージが膨らむ経営指針の実践報告でした。
「なぜ伝わらないのだ」と思ったら、まず自分が変わり、相手の理解につとめ、伝わる方法と仕組みをつくり、楽しみながら実践継続出来るコミュニケーションを大切にする、永原さんの実践報告で気づかせて頂きました。
グループ討論はテーマ「あなたの社員に対する思いは?」で行いました。社員ひとりひとりの幸福を考え実践する経営者でありたいものです。
『いつかきっとよりも何かひとつすぐ実行を!』 と爽やかに念押しをされ、永原さんは帰途につかれました。
例会担当グループ 美保テクノス㈱ 清水 勉